化粧品の製造委託に必要となる取決め書について解説致します

皆さん、こんにちは。群馬県邑楽郡大泉町の行政書士事務所 行政書士オフィスかわしまです。

当事務所では、化粧品製造販売業許可、化粧品製造業許可の新規申請代行、更新申請代行、そして、業務運用のサポートをしております。各許認可にご興味をお持ちの方は、お気軽に当事務所にご相談下さい。

こちらの記事では、化粧品製造販売業者が化粧品製造業者に、化粧品の製造を委託する際に必要となる、取決めについて説明させて頂きます。化粧品の業界では、自社で製造販売のみを行い、製造や製品の保管を他社に委ねるケースも多々あります。そんな際に必要となる取決めです。薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)に基づき、この取決めは単なるビジネス上の契約を超えた重みを持っています。

そして、忘れてはいけないのが、「化粧品製造販売業許可」の更新申請の時です。製造行為を他社に委託している場合は、行政側から、化粧品製造業者との取決め書の確認を求められるケースもあります。委託されている側の「化粧品製造業許可」の更新申請でも同様に、取決め書の有無について質問がある場合もあります。製造販売業でも、製造業でも、この取決め書は大変大切です。

取決め書がない場合、行政側からその点について、指摘事項となる可能性があります。更新申請を滞りなく行うためにも、他社に委託する場合は、取決め書を用意すべきです。まあ、更新のために用意するとなると、取決めを行うことに対する、本来の趣旨が異なってしまいますが。何かあってからでは遅いので、問題を起こさないために、確実に行いましょう。

とは言え、取決め書の内容はよく吟味して、自社に不利になっていないかの検討はするべきです。相手側から提示された取決め書を、言われるがまま受け入れてしまうのも、自社にとって、好ましいことではありません。法律の範囲内で、諸々確認、検討すべきです。取決め書の作成、確認の経験がない事業者様は、お気軽に当事務所にご相談下さい。

目次

取決めを交わす法的根拠と目的について

化粧品製造販売業者は、市場に出荷する製品の最終責任を負います。しかし、多くの場合、実際の製造工程は外部の化粧品製造業者(OEMメーカーなど)に委託されます。この際、化粧品製造販売業者が適切に品質管理を行うために不可欠なのが、GQP(品質管理基準)およびGVP(製造販売後安全管理基準)に基づく取決めです。

  • GQP省令第7条: 製造業者との間で、製造管理および品質管理の実施方法、委託範囲、報告手順などを文書で締結することを義務付けています。
  • 目的: 製造現場でのミスを防ぎ、万が一トラブルが発生した際に迅速に原因究明と回収が行える体制を構築することにあります。

取決め書(品質管理に関する覚書)の主要項目について

一般的に「品質管理に関する覚書(品質契約)」として締結される項目は、多岐にわたります。

① 製造管理および品質管理に関する事項

委託側(製造販売業者)が受託側(製造業者)に対し、どのような基準で製造を求めるかを明確にします。以下に例を挙げます。ただし、形だけの基準にならないように、現実に沿った形で文面を用意すべきです。

  • 適正製造規範(GMP)の遵守: 化粧品GMP(ISO 22716等)に準拠した製造を求めます。
  • 製造手順書の遵守: 承認された処方や工程に基づき製造することを確認します。
化粧品GMPについて

化粧品GMPとは、高品質で安全な化粧品を安定して製造するために、原材料の受け入れから最終製品の出荷に至るまでの全プロセスにおいて、従業員・設備・手順などを定めた自主基準(適正製造規範)です。国際的には「ISO22716」が標準として採用されており、製品の安全性確保と品質のバラつき防止を目的とした「ルールブック」といえます。

化粧品GMPはどこの化粧品製造業者でも導入して、運用しているわけではありません。必須ではありません。ただし、導入することで、化粧品製造工場としての信用を得ることができます。

② 製造等に関する通知・報告

製造現場で起こった「いつもと違うこと」を速やかに把握するためのルールです。化粧品製造販売業者の知らぬところで、化粧品製造業者が勝手なことをすると、問題が発生する可能性もあります。また、発生した問題への対応も遅れるかもしれません。製造業者をコントロールするためにも、製造業者の通知・報告は大変大切です。

  • 変更管理: 原料の調達先変更、設備の更新、工程の変更などを行う際、事前に製造販売業者の承認を得るプロセスを定めます。
  • 逸脱管理: 規定のプロセスから外れた事態(機械トラブル、配合ミス等)が発生した場合の報告手順を定めます。
③ 出荷の判定に関する事項

製品が市場に出る前の最終関門です。最終消費者に問題ない製品をお届けするために、最も大切なプロセスです。製造業者は製造記録や試験検査結果を製造販売業者に報告します。そして、製造販売業者の品質保証責任者が、それらの記録を確認し、市場への出荷可否を決定する流れを明文化します。

尚、この市場への出荷判定プロセスですが、化粧品製造販売業者が、化粧品製造業者に委託することも可能です。化粧品製造販売業者が、化粧品製造業者の担当者を指名して、代理で行ってもらいます。この場合、取決め書で、その旨を明記します。

④ 不合格品の処理

試験検査で不合格となった製品や、製造過程で発生した不良品の廃棄・処理方法を規定し、不適切な製品が市場に流出するのを防ぎます。

⑤ 情報の提供(GVPとの連携)

製品の使用による副作用や不具合の情報が製造業者に入った場合、速やかに製造販売業者へ伝達するルートを確立します。

実務における重要ポイントについて

こういった取決めは、ともすると、作成して満足となってしまいがちです。このように、取決めを形骸化させないためには、以下の実務的な視点が欠かせません。

製造所への監査(適正な確認)について

取決めを交わすだけでなく、製造販売業者は定期的に製造所へ足を運び、「取決め通りに運用されているか」を確認する監査を行う権利と義務があります。監査を行う際は、チェックリスト等を用意して、確認漏れがないようにしましょう。確認事項の例を以下に挙げます。

  • 衛生管理は行き届いているか?
  • 計測機器の校正(キャリブレーション)はなされているか?
  • 記録の改ざんはないか?
責任の所在の明確化について

例えば、容器の破損が「配送中」に起きたのか「製造ライン」で起きたのか。こうした細かい責任所在について、あらかじめ定めておくことで、トラブル時の紛争を避けることができます。責任の所在をあいまいにしておくと、問題発生時に、いざこざになりかねません。実務の進行にも支障を生じかねません。

記録の保存期間について

薬機法では記録の保存期間が定められていますが、取決め書においても「製造から何年間、記録を保管するか」を明記します(一般的には有効期間+1年、または5年間など)。

お問い合わせ 当事務所では、取決め書の作成サポート、確認サポートを行います

取決め書は、よく確認せず、提示されたままに受け入れてしまうと、後々の火種にもなりかねません。例えば、経験がある業者の言いなりになると、自社にとって不利な条件を負わされているケースもあります。そのような事態は出来るだけ避けたいものです。

当事務所では、化粧品製造販売業者が、化粧品製造委託する際に、化粧品製造業者と交わす取決め書についてのご相談をお受けしております。取決め書の作成経験がない業者様、取決め書を交わした経験がない業者様、ぜひ当事務所のサポートをご活用ください。決して、自社にとって不利になる取決め書だけは、法律の範囲内になりますが、避けるようにしましょう。取決め書の作成、取決め書の確認など、以下のフォームからお気軽にご相談下さい。化粧品製造販売業許可、化粧品製造業許可についてのご相談もお受けしております。

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