化粧品製造業許可(包装・表示・保管)を取得する利点を解説します

皆さん、こんにちは。群馬県邑楽郡大泉町の行政書士事務所 行政書士オフィスかわしまです。

当事務所では、日本国内で化粧品の製造販売をするために必要となる「化粧品製造販売業許可」、日本国内で化粧品を製造するために必要となる「化粧品製造業許可」の新規申請、更新申請の代行をしております。化粧品許認可に興味がある事業者様は、お気軽に当事務所にお問合せ下さい。

こちらの記事では、化粧品製造業許可の「包装・表示・保管」を取得する利点について解説させて頂きます。

目次

化粧品製造業許可(包装・表示・保管)を取得する利点について

化粧品製造業許可(包装・表示・保管)を取得する最大の利点は、「自社で最終製品の仕上げができる」という点に集約されます。他社に最終製品の仕上げを委託している場合、他社のスケジュール等に翻弄されるケースもあるでしょう。自社のペースで行うには、自社で最終製品まで仕上げられる体制は必要不可欠です。

① リードタイムの短縮

通常、OEMメーカーに製造を委託する場合、中身の充填からラベル貼り、箱詰め、最終的な出荷判定までを一括で依頼します。しかし、これではOEM先の生産スケジュールに左右され、急な在庫補充やキャンペーン対応が困難です。
自社(または提携倉庫)で包装区分を持っていれば、「中身(バルク)だけを大量に作っておき、必要な時に必要な分だけラベルを貼って出荷する」という運用が可能になり、市場の需要に即応できます。

② 流通コストの削減

OEM工場から自社倉庫へ移動させる際、完成品として運ぶよりも、バルク(大容量容器)や未包装の状態で運ぶほうが輸送効率が高い場合があります。自社拠点でパッケージングを行うことで、余計な運送費や中間マージンをカットし、利益率の向上に寄与します。

とりわけ、輸送コストが増大している昨今ですので、このような中間コストが抑えられるのは、会社にとっても、消費者にとっても、メリットをもたらしてくれるでしょう。

輸入化粧品ビジネスにおいて優位性を持てます!

海外ブランドの化粧品を日本国内で販売する場合、この化粧品製造許可(包装・表示・保管)は「必須」と言っても過言ではないほど強力な武器になります。

① 日本語ラベルの貼り替え・外箱の入れ替え

海外製品をそのまま販売することはできません。必ず日本の薬機法に基づいた成分表示ラベルを貼る必要があります。

  • 許可がない場合:海外から届いた荷物を、一度「製造業許可を持つ外部倉庫」へ送り、高額な作業費を払ってラベルを貼ってもらわなければなりません。
  • 許可がある場合:自社倉庫に荷物を引き取り、その場で検品・ラベル貼り・出荷判定が完結します。
② 検品精度の向上とブランド保護

海外製化粧品は、外箱に傷があったり、容器の印字がズレていたりすることが少なくありません。包装区分の許可があれば、自社の厳しい基準で検品を行い、不良品をその場で撥ねることができます。これにより、日本市場の厳しい消費者の期待に応える「高品質なブランド」としての地位を確立しやすくなります。

この自社で製品品質を保てるのは大きな利点です。外注先に検品を依頼している場合、会社対会社で基準の設定のやり取りをする必要があります。自社で品質をコントロールするより、労力を要することになります。問題が起こった際、どこが責任をとるのかといった点も、他社とのやり取りならではと言えます。

コスト戦略と投資対効果の最大化について

ここで、「一般区分」を取得と、「包装・表示・保管」を取得とで、コスト面について比較してみます。「一般区分」の許可取得には、精製水設備や撹拌機、クリーンルーム、廃水処理施設など、数千万〜数億円単位の投資が必要です。対して「包装・表示・保管区分」には以下のような経済的メリットがあります。

① 低コストでの参入

この区分で求められるのは、主に「清潔な作業スペース」「整理整頓された保管棚」「適切な検品環境」です。高額な製造機械は不要なため、小規模なスタートアップや中小企業でも、比較的少ない初期投資で「製造業者の顔」を持つことができます。

② 委託費の変動費化

外部の製造業者に全てを依存すると、1個あたりの加工賃が固定され、小ロットになるほど割高になります。自社で許可を持っていれば、閑散期に自社スタッフで作業を行うなど、人件費の最適化が図れます。

品質の維持と信頼性の向上について

化粧品は直接肌に触れるもの。製造販売業者(メーカー)として、製品の「最終的な姿」を自らの目で確認できることは、リスク管理において極めて重要です。

① ロット管理の徹底

「保管」の許可は、単に物を置くだけでなく、「市場への出荷判定が出るまでの間、適切に隔離・管理する」ことを含みます。温度・湿度管理が行き届いた自社施設で管理することで、製品の劣化を防ぎ、万が一の回収騒動(リコール)の際にも、どのロットがどこにあるかを即座に把握できます。

② 柔軟なセットアップ作業

クリスマス限定セットや、シャンプーとトリートメントの同梱セットなど、複数の製品を一つのパッケージにまとめる「セットアップ作業」も「製造行為」とみなされます。この許可があれば、マーケティング施策に合わせた魅力的なセット商品を、自社のタイミングで自由に作成できます。

企業イメージと法的コンプライアンスの強化について

現代のビジネスにおいて、コンプライアンス(法令遵守)は信頼の基盤です。

① 「メーカー」としての信頼感

名刺やWebサイトに「化粧品製造業許可(包装・表示・保管)」を取得している旨を記載できることは、取引先や百貨店、ECプラットフォームに対して大きな信用材料となります。「法規を守り、自社で責任を持って製品を管理している企業」という証明になるからです。

② 薬事監査への耐性

無許可の倉庫でラベル貼りを委託していると、行政の立ち入り調査が入った際に「無許可製造」と判定され、事業停止に追い込まれるリスクがあります。自社で正当に許可を取得しておくことは、事業継続性(BCP)を高めることと同義です。

まとめ

化粧品製造業許可(包装・表示・保管)を取得する利点は、単なる事務的な手続きの完了ではなく、「サプライチェーンのコントロール権を自社で握る」ことにあります。戦略的な一歩としての取得とも言えます。

  • 機動力:流行の変化が激しい化粧品業界で、迅速に製品をリリースできる。
  • 収益性:中間マージンを排除し、物流と作業の最適化を図れる。
  • 信頼性:徹底した検品とロット管理で、ブランド価値を毀損させない。

一般区分(バルク製造)から始めるのはハードルが高い場合でも、この包装区分からステップアップしていくことは、化粧品ビジネスを安定させ、拡大させるための最も堅実かつ賢明な戦略と言えます。「まずは輸入販売から始めたい」「物流コストを下げたい」「自社基準の検品を徹底したい」というニーズがあるならば、この許可取得に向けた投資は、非常に高いリターンを生むはずです。

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