ヘアーカラーの化粧品、医薬部外品の違いについてご存じですか?

皆さん、こんにちは。群馬県邑楽郡大泉町の行政書士事務所 行政書士オフィスかわしまです。

当事務所では、日本国内で化粧品の製造販売、製造、そして、医薬部外品の製造販売、製造をする場合に必要となる許認可の取得をサポートしています。ご興味をお持ちの事業者様はお気軽に当事務所にお問合せ下さい。

こちらの記事では、私たちが年齢を重ねると悩みの種となる、グレーヘアー、白髪に関連する内容です。私自身もですが、年を取るにつれて、白髪が目立つようになってきました。そこで、白髪染め、ヘアーカラーを使用するようになったのですが、このヘアーカラーには、化粧品のものと、医薬部外品のものがあるの、ご存じですか?それぞれの違い等を絡めて説明させて頂きます。今後お店に行かれた際は、パッケージの裏面表示等に注意してみてくださいね。

目次

お店で白髪染めのパッケージをみてみると・・・

ヘアカラー(毛髪を染める製品)をドラッグストアなどで選ぶ際、パッケージをよく見ると「医薬部外品」と書かれたものと、「化粧品」に分類されるものがあることに気づくと思います。一見するとどちらも「髪を染めるもの」ですが、これらは日本の法律(薬機法)における分類が根本的に異なり、髪が染まる仕組み、色持ち、そして頭皮や髪へのダメージリスクに至るまで、全く別の性質を持っています。

化粧品、医薬部外品の製造販売、製造される業者様もこのあたりについては、知識として持っていても損はないと思います。

法律上の分類と定義の違いについて

まずは、化粧品にしろ、医薬部外品にしろ、すべての商品のベースとなる「法律(薬機法:医薬品医療機器等法)」における位置づけと、正式な名称の違いから整理していきましょう。

項目医薬部外品のヘアカラー化粧品のヘアカラー
法律上の名称染毛剤(せんもうざい)染毛料(せんもうりょう)
製品の例一般的なヘアカラー、白髪染め、ブリーチヘアマニキュア、カラートリートメント、カラーシャンプー
目的・作用厚生労働省が認めた「有効成分」が、体(髪)の構造に変化を与えて染める(緩和な薬理作用)身体を清潔に保ち、美化し、魅力を増すために、髪の表面を物理的に着色する
配合成分の表示「有効成分」と「その他の成分」を分けて記載(全成分の表示順に規定はない)配合されている「すべての成分」を配合量の多い順に記載する義務がある
医薬部外品(染毛剤)とは?

医薬品と化粧品の中間に位置するものです。厚生労働省が許可した特定の「有効成分」が規定の量だけ配合されており、髪の内部に浸透して構造自体を変化させる(元のメラニン色素を壊して新しい色を入れる)という、比較的強い作用が認められています。

化粧品(染毛料)とは?

医薬部外品に比べて、身体への作用がさらに緩和なものです。髪の構造自体を変えるような強い薬剤(酸化染料やアルカリ剤など)を使うことは許されておらず、あくまで「髪の表面や、表層の浅い部分に染料を付着させて物理的に色をつける」という範囲に留まります。

それぞれの「髪が染まる仕組み(メカニズム)」の違いについて

この医薬部外品のヘアーカラー、化粧品のヘアーカラーの最大の違いは、「髪のどこが、どうやって染まっているか」というメカニズムにあります。

① 医薬部外品(染毛剤・アルカリカラー)の仕組みについて

市販されている安価でしっかり染まるヘアカラーや白髪染めの多くは、「酸化染毛剤」と呼ばれる2剤式のタイプです。髪の内部の「メラニン色素」を分解しながら、同時に色を定着させます。

  • キューティクルを開く: 1剤に含まれる「アルカリ剤(アンモニアなど)」の働きで、髪の表面を覆っているキューティクルを無理やりこじ開けます。
  • メラニン色素を脱色する: 2剤に含まれる「過酸化水素(酸化剤)」が髪の内部に浸透し、元々ある黒いメラニン色素を破壊して髪を明るく(脱色)します。
  • 染料を結合させて発色する: 同時に浸透した「酸化染料(パラフェニレンジアミンなど)」が、過酸化水素の力で化学反応(酸化合体)を起こします。分子が大きくなることで、開いたキューティクルの隙間から外へ抜け出せなくなり、髪の内部(コルテックス)に色が定着します。

※メカニズムとしては、「元の色を抜いてから、新しい色を入れる」方法です。そのため、黒い髪を茶髪や金髪のように「元の髪色より明るい色」に染めることができます。

② 化粧品(染毛料)の仕組みについて

化粧品に分類されるヘアマニキュアやカラートリートメントは、上述のような激しい化学反応は一切行いません。染料の種類によって以下の2つのアプローチで染めます。

  • ヘアマニキュア(酸性染毛料):分子の大きい「タール色素(酸性染料)」を使用します。髪の表面にあるプラスの電荷と、染料のマイナスの電荷が、磁石のように引き合う力(イオン結合)を利用して、髪の表面(キューティクル)をコーティングするように着色します。
  • カラートリートメント・カラーシャンプー:分子が非常に小さい「塩基性染料」と「HC染料」を組み合わせたものが主流です。塩基性染料が髪の表面にイオン結合し、さらに極小のHC染料がキューティクルのわずかな隙間から髪の表層(ごく浅い内部)に入り込んで発色します。

※メカニズムとしては、「白い画用紙に絵の具を塗る」ようなイメージです。元のメラニン色素を破壊しない(脱色しない)ため、黒い髪の上から塗ってもほとんど発色せず、明るくすることはできません。 主に白髪をぼかしたり、ブリーチした明るい髪に色を補給したりする目的で使われます。

色持ちの違いについて

髪のどこまで染料が届いているかによって、色持ちの期間には圧倒的な差が生まれます。

医薬部外品:長持ち(1ヶ月〜2ヶ月)

髪の内部深くで染料の分子が巨大化して閉じ込められているため、毎日のシャンプーでも簡単には色落ちしません。髪が伸びてくるか、紫外線などのダメージで徐々に退色するまでは、およそ1〜2ヶ月間しっかりと色が持続します。

化粧品:一時的〜短期的(数日〜数週間)

髪の表面や浅い部分にくっついているだけなので、シャンプーのたびに少しずつ染料が洗い流されてしまいます。

  • ヘアマニキュア: 約2〜3週間ほど持ちますが、徐々に色が薄くなります。
  • カラートリートメント: 1回の使用ではうっすらとしか染まらず、数日間連続で使用することで徐々に濃くなっていきます。使用をやめると、約1週間(数回のシャンプー)で元の髪色に戻ってしまいます。

「ダメージと肌トラブル(安全性)」の違いについて

効果が強い薬剤には、それ相応の代償(リスク)があります。このリスクの差こそが、製品を選ぶ上で最も重要な判断基準になります。

医薬部外品 一般的にダメージ大・アレルギーリスクがあります
  • 髪へのダメージ: キューティクルを無理に開き、内部のメラニン色素を破壊するため、髪の栄養分(タンパク質)が流出しやすくなります。結果として、髪のパサつき、きしみ、枝毛の原因になります。
  • 頭皮への刺激とアレルギー: アルカリ剤や過酸化水素が頭皮を刺激し、ピリピリとした痛みを感じることがあります。また、有効成分として使われる「ジアミン系染料(パラフェニレンジアミンなど)」は、重篤なアレルギー性皮膚炎(ジアミンアレルギー)を引き起こすリスクがあります。これまで問題がなかった人でも、ある日突然発症することがあり、一度発症すると二度と使用できなくなります。そのため、使用前には必ず48時間のパッチテストが必要です。
化粧品 一般的にダメージはほぼゼロ・肌に優しいです
  • 髪へのダメージ: 髪の構造を破壊しないため、髪を傷めることはほぼありません。 特にカラートリートメントは、ベースがトリートメント成分であるため、使用前よりも髪がサラサラになったりツヤが出たりする効果もあります。
  • 頭皮への刺激: ジアミン系の染料を使用していないため、ジアミンアレルギーのある人でも安心して使用できます。ただし、ヘアマニキュア(酸性染毛料)は頭皮や皮膚につくと非常に落ちにくいため、根元ギリギリをあけて塗る技術が必要です。一方、カラートリートメントは皮膚についてもシャンプーで比較的簡単に落ちるため、地肌を気にせず手軽に塗ることができます。

医薬部外品、化粧品の違いのまとめ

医薬部外品(染毛剤)のメリット
  • 黒い髪を明るい茶髪や金髪にできる。
  • 白髪も黒髪も、ムラなく均一にしっかり染まる。
  • 1回染めれば1〜2ヶ月間は色をキープできる。
医薬部外品(染毛剤)のデメリット
  • 髪が確実に傷む。
  • 頭皮トラブルや、突然のジアミンアレルギーのリスクがある。
  • ツンとした特有の刺激臭(アンモニア臭)がある。
化粧品(染毛料)のメリット
  • 髪をほとんど傷めず、使うたびにツヤが出る。
  • ジアミンアレルギーの人でも使える。
  • お風呂場でトリートメント感覚で使えるため、手軽。
化粧品(染毛料)のデメリット
  • 黒い髪を明るくすることは絶対にできない。
  • 色持ちが悪く、定期的に(週に数回など)使い続ける必要がある。
  • 1回での染まり具合は穏やか(特にカラートリートメント)。

どちらがおすすめ?

実際のライフスタイルや髪の悩みに合わせた選び方の目安を参考に記載します。

「医薬部外品(染毛剤)」が向いている人
  • 今の髪色よりもガラリと明るい印象に変えたい人
  • 頻繁に染めるのが面倒で、1回でしっかり長持ちさせたい人
  • 増えてきた白髪を、根元から完璧に隠したい人
  • 肌が比較的強く、アレルギーの心配がない人(要パッチテスト)
「化粧品(染毛料)」が向いている人
  • これ以上髪や頭皮を傷めたくない(ダメージを気にする)人
  • 過去にヘアカラーで頭皮が荒れたり、ジアミンアレルギーがある人
  • 美容院にいく合間の期間、生えてきた白髪を「目立たなくする(ぼかす)」程度でいい人
  • 自宅のお風呂で、手を汚さず気楽に白髪ケアやカラー維持をしたい人

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