皆さん、こんにちは。群馬県邑楽郡大泉町の行政書士事務所 行政書士オフィスかわしまです。
こちらの記事では、「化粧品製造販売業許可」の維持に大変大切な、「変更届」について解説させて頂きます。
変更届けについて
化粧品を日本国内で流通させるための「免許」とも言える化粧品製造販売業許可。この許可を取得した後に、申請内容(業者名、住所、総括製造販売責任者など)に変更が生じた場合は、法令に基づき「変更届」を提出しなければなりません。手続きを怠ると、法令違反(薬機法違反)となり、業務停止や許可の取り消し、あるいは更新時のトラブルに発展するリスクがあります。
それでは、この「変更届」、どのようなタイミングで提出すればよいでしょうか?
- 提出期限:変更後、30日以内です。化粧品製造販売業許可の「変更届」は事後の届出が基本です。
- 根拠法令: 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(薬機法)第19条第1項
※30日を過ぎてしまった場合でも提出は可能ですが、「遅延理由書」の添付を求められることがあります。代表者の名前で行政側に書面を用意する必要があります。こういったことは、出来るだけ避けたいものです。また、あまりに遅れると行政指導の対象となるため、変更が分かっている場合は事前に準備を進めるのが鉄則です。
変更届が必要な主な事項と必要書類について
変更する内容によって、用意すべき書類が異なります。代表的なケースをこちらまとめました。
- ① 法人の名称、主たる事務所の住所の変更
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会社の名前が変わった場合や、本社が移転した場合です。
必要書類:
履歴事項全部証明書(発行から6ヶ月以内のもの)
(住所変更の場合)許可証の原本(書き換え交付申請を行う場合)
- ② 役員の変更(法人の場合)
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「業務を行う役員」に変更があった場合です。監査役などは含まれません。
必要書類:
履歴事項全部証明書
組織図(役員の分担がわかるもの)
- ③ 総括製造販売責任者の変更
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許可の要件である「三役(総括・品質・安全)」の中で、最も重要な責任者の変更です。
必要書類:
雇用契約書の写し(または使用関係を証する書類)
資格を証明する書類(卒業証書、成績証明書、従事年数証明書など)
- ④事務所の名称・所在地、保管場所の変更
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実際に業務を行う事務所や、製品を保管する場所(許可に紐付くもの)の変更です。
必要書類:
付近の見取図
平面図(事務所や保管場所の配置がわかるもの)
手続きの流れについて(実務ステップ)
変更届の手続きは、現在は電子申請ソフト(FD申請ソフト)を利用するのが一般的です。
- ステップ1:変更内容の確定と書類準備
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「いつ、何が変わるのか」を明確にします。特に責任者の交代などは、資格要件(学歴や実務経験)を満たしているか事前に確認が必要です。
- ステップ2:届出書の作成
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「医薬品等電子申請ソフト」(厚生労働省提供)を使用して、変更届を作成します。鑑(かがみ)となる届出書を出力します。提出用データ(xml形式)を保存します。
- ステップ3:提出(郵送または窓口)
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管轄の都道府県(薬務課等)に提出します。正副2部(自治体による)を用意し、受付印をもらった1部は自社で保管します。
- ステップ4:許可証の書き換え
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業者名や住所が変わった場合、手元の「許可証」に記載されている情報と事実が食い違います。この場合、変更届と同時に、都道府県とご相談下さい。許可証の書換えが行えます。
注意点について
許可の「承継」と「新規取り直し」の区別が必要です。以下のケースは「変更届」では済まず、許可の新規取得が必要になる場合があります。
- 個人事業主から法人化(法人成り)する場合
- 別法人へ事業譲渡する場合(※「承継」の手続きが可能かもしれません。承継が可能かどうか、都道府県とご相談下さい)
- 全く別の場所への移転(管轄の都道府県が変わる場合など)
総括製造販売責任者は、品質保証責任者や安全管理責任者を兼ねることができます。しかし、他社の責任者を兼ねることは原則できません。また、製造業(工場)の責任者との兼務については、物理的に業務が遂行できる距離であるかなどの審査があります。
新しい役員の欠格事由の確認は必須です。新しく役員に就任する人が、薬機法違反による罰金以上の刑を受けていないか、精神の機能に障害がないかなどの確認が必要です。
変更届を放置した場合のリスクについて
「変更届」は、薬機法で定められているように、決められた期限内に、都道府県に提出する必要があります。それでは、仮に、「変更届」を出さずに、放置した場合はどうなるでしょうか?
考えられるリスクを挙げてみます。
- 輸出入のストップ:輸出入時に税関から許可証の提示を求められた際、内容が古いと受理されないことがあります。輸出入を行っている事業者様は、注意が必要です。
- 更新申請が通らない:これも、大変忌々しきリスクでしょう。たとえ人気がある化粧品を取り扱っていたとしても、化粧品製造販売業許可の更新が出来なければ、自社製販での製品供給はできなくなります。5年ごとの更新時、過去の変更が届出されていないと、その場で全ての変更を遡って証明しなければならず、更新が間に合わないリスクがあります。
- コンプライアンス違反:取引先(販売先やOEMメーカー)からの監査で不備を指摘され、取引停止に繋がる恐れがあります。現在は、世間的に、コンプライアンス重視の風潮にあります。くれぐれも気をつけたいものです。反対に考えると、当たり前のことを当たり前に出来ている事業者様は、他社から信頼を勝ち取れるでしょう。
まとめ
化粧品製造販売業許可の変更届は、「変わったら30日以内に、正しい情報を添えて出す」というシンプルなルールですが、書類の不備や資格要件の確認ミスが起こりやすい業務です。特に「人(責任者)」の変更は、その人のキャリア(単位取得状況や実務経験年数)が法的に認められるかどうかが重要ですので、正式な発令前に管轄の薬務課へ事前相談することをお勧めします。
「変更届」は出来ていて当たり前ですが、この当たり前のことが出来ているかどうか、取引先の業者はよく見ています。コンプライアンスが重視されている現在においては、場合によっては、取引停止等の可能性もありますので、皆様もお気をつけ下さい。
お問合せ
当事務所では、化粧品製造販売業許可、化粧品製造業許可の変更届の作成等、お手伝い致します。また、各都道府県に代理で届出も致しますので、お気軽にご相談下さい。また、変更届けに関することで、ご不明な点等ございましたら、お問合せ下さい。
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